CornPotage【短編集】



「アハハッ。なんだか、天華ってヒヨコみたいについてくるから可愛いね。」



えーーーーーー!?


何でこの人は私が今まで人にしてもらってないことを

平気でやったり言ったりするの?


陣樹は自分が言っている言葉が分かっているのだろうか?


私が可愛いなんてありえない。


でも、初めて言われた・・・なんて嬉しいのだろう。



ありがとう、陣樹。



「どうしたの?黙り込んで・・・?お腹痛いの?」


彼は私の事、心配している。


まだ会ったばかりなのに、こんなに優しくしてくれるなんて。


ラビンたちとなんだか似ているな。



陣樹と初めて会った話した場所。


つまり、リサイクルショップの目の前に来てしまった。


もっと陣樹と話したかったのに・・・。



「これでお別れだね。寂しいなぁ。」


私はしょんぼりしながら言った。
 



「お別れと決まったわけじゃないよ。


また会えるかもしれない。

だから、しょんぼりしないで。」


彼の言葉は説得力があった。 


「うん。わかった。じゃあ、またどこかで会おう。」


もう悲しくてしょうがなかった。


だから、早く済ませたかった。



「うん、バイバイ。」

彼は最後まで笑顔を絶やさなかった。


私が悲しまないように笑っていてくれたんだ。


でも、私は限界だった。


涙がこぼれた。





私は泣きながら家へ帰った。