「・・・天華って意外と分かっているね。」
「天華って言ってくれた。嬉しい。」
私は大げさに喜んだ。
でも、私にとって大げさじゃなくて本当に
それぐらい嬉しかったのだ。
「ちょっと、大げさすぎないか?」
「ううん、だって本当に嬉しかったから。
私、いっつも涙水さんとか天華さんとかさん付けが多いから
天華って呼んでくれるの私の家族だけなんだ。」
「じゃ、俺が友達第一号で、友達の呼び捨て第一号だな。」
「アハハ、そうだね。」
話すのってとっても面白い。
きっと友達が増えるともっと面白いのかな?
私たちは、野原で立ち止まった。
「ほら、これが鈴蘭だよ。」
彼は小さな白い、名前の通り鈴の形をした花を私にくれた。
「可愛い。本当にもらっていいの?」
「うん。こいつもこんな所より安全な所のほうがいいと思うから。」
「でも、私、陣樹にいろいろお礼しなきゃ。」
「お礼なんていいよ。それに君から良い言葉をもらったからね。
<思いやりは人を代える>
俺、気に入ったし。」
「じゃ、お相子ね。それにしても、結構歩いたなぁ~。
ここで、一休みしよう?」
「ごめん、実は近道があったけど、天華ともっと話したかったから
わざと遠回りしたんだ。」
「よし、ここで一休みするけど、罰として途中まで送ってね。」
「お安い御用で。」
そして、二人は野原で座った。
暖かい風が来て、とても気持ち好かった。
ずっと、ここに居たいな。



