「ラビン!?」
「は?誰それ?」
ラビンではなかった。
見知らぬ少年だが、懐かしい顔だ。
「あ!たっ助けてくれてありがとうございます。」
「ううん、俺はただ昔やった事をまたやっただけ。
おまえみたいな馬鹿がいきなり道路に飛び出したからさ。」
「それ私です!」
「え!?二度も!?少しは反省しろよ。」
「はい・・・・・すみません・・・。」
「まっ、いいけど。でも、おまえってこんな朝早く何してんだよ?」
この言葉で少しドキッとした。
正直にオカルトグッズを売りにリサイクルショップに行った帰りと言うか、
いやそれはヤバイ。
「植物を買いに来たの。」
「植物なんて朝早くに売ってないよ。」
「そっか・・・。」
私は何とかごまかせたので、ほっとした。
「いや、そんな落ち込むなよ。そんなに欲しいのか?」
彼は、焦っていた。
「ううん、べつにそこまでじゃないから。」
勘違いされたみたいなので、私も焦った。
「そうだ!ちょっとこい。」
彼は私の腕を引っ張った。
「あ~、そうそう。言い忘れていた。
俺の名前、桜井 陣樹だから。」
「陣樹?変な名前。」
悪気はなかったんだが、つい言葉に出てしまった。
「悪かったな。」
やっぱり怒っちゃった。
「ごっごめん。陣樹、悪気はなかったの・・・。」
「え!?いきなり下の名前!?しかも、呼び捨て!?」
「ひゃっ。本当にごめん。呼びやすかったから・・・。」
「アハハ、べつにいいよ。
俺も陣樹って名前、気に入ってるから。」
「本当にすみません。」
人間の男の子とこんなに喋ったことがなかったので楽しかった。



