感謝の言葉なんて最近では全然使っていなかったからだ。
動物たちはみんな顔を赤くしている。照れているようだ。
「ありがとうなんて・・・・・光栄です。
そんな素晴らしい言葉が聞けるなんて、思いもしませんでした。
あなたにまたお会いできて本当に好かったです。」
ラビンの目にも本当は見えない涙が見えた。
ラビンの体をよく見たら、至る所に傷があった。
違う動物たちにも傷があった。
どうして気づかなかったんだろう。
私に捨てられてから、ゴミ収集車の中で体を痛めたんだろう。
私は何回この子たちを傷つけたら気が済むんだろう。
もう自分が嫌になってきた。
オカルトなんかに手を出さなければよかった・・・・
今ごろ後悔しても、もうこの子たちの体は戻らないけどね・・・・。
いや、戻る!
新しい体を作ってあげればいいんだ。
でも、どうやって?
私はこの提案をみんなに伝えた。
どうやって作るか、何に入れるかも話しあった。
そして、方法は決まった。
私はリュックのチャックを開けて、裁縫道具と布切れを出した。
もし、服が破れたりしたらという
いかにも心配性の人が考えそうなことを私は思ったからだ。
私は布切れを不器用な指で縫い合わせた。
私は、料理はそこそこできるけど
裁縫は何回練習しても上手になれない。
動物たちはハラハラドキドキしながら私をじっと見る。
少しの時間、沈黙が続いた。やっと完成した。
不恰好だが、お守りみたいな小さな袋ができた。



