「選曲決まったぞ!!
tokomatlonの『高校革命』!!」
第二音楽室であたし達に楽譜を渡す山本君。
tokomatlon??
聞いたことないダサい名前。
しかも、高校革命ってクサッ。
さっそくCDで曲を聴いてみると、
名前の通り明るいハッチャケてる曲だった。
この歌をあたしが歌うの!?
「なんか、文化祭とかで歌えそうな曲だね。」
林さんが楽譜を見てリズムを取る。
「そぅ!!さすが林!!勘強いな!!
実は今度の演劇祭でこの歌を歌うことになったんだ!!
つまり、俺たちのデビューは演劇祭!!」
「ちょっと待ってよ!!?なんで演劇祭!?」
演劇祭とは文化祭より早めにやる、
名前の通り演劇部が演劇を披露する祭り。
まぁ、言ってみれば、演劇部のコンサートみたいなの。
それにバンドって・・・変だろ。
「思い立ったが吉日だろっ?」
使い方が違いますよ、優等生の山本君。
「でっでも、面白さそうじゃん。
やろうよ。みんなで。」
美咲は乗り気だった。
まぁ、何もしないよりマシだけど。
「じゃあ、まずは各自練習!!
まず一番まで完璧に出来るようにしとくこと!!!」
そっか。。。
当たり前だけど、練習しなきゃいけないんだよね。。。
山本君はニコッと私に笑いかけ、耳元で囁いた。
「俺が教えてあげようか?」
なんだよ、その上から目線。



