体から汗が出てくる。 男は額に出た汗を指ですくって口元に近づけた。 しょっぱい。 こんな一滴じゃ喉を潤すことはできない。 「いらっしゃいませ。」 女は男の存在に気づいたようだ。 「飲み物を…一つ…。」 「いらっしゃいませ。」 女は声色を変えない。