CornPotage【短編集】




「山本君。。。」



そこにはトランペットを吹いている山本君がいた。



山本君は私に気づきニコッと笑った。



私はいつの間にか山本君の隣に座っている。



小さい時もこんなふうに隣に座っていた。




「吹部、辞めたんじゃないの??」



「辞めたって、トランペットは吹けるだろ?」




そっか。。。



そうだよね。。。



でも、アタシは・・・



出来ないよ・・・。




「さっきは平気で部活辞めたって言ってゴメン。」



山本君は流れる川を見ながら言った。





「杉並いっつもヘラヘラしてるからさぁ。


 まだバレーに未練あるとは思わなかった。」




「未練は・・・ないよ。」




ただ・・・




「自分を変えようとして、


 失敗して、


 失っただけ。」




"そっか"と山本君は呟く。





「じゃあ、また新しい何かを得ればいいじゃん。」