「ねぇ、聞いて。 あたし実は晴れ女なんだ。」 舞子は無邪気に笑う。 それは一緒に映画を見に行った時のこと。 梅雨はまだ終わっていない。 「どゆこと?」 「あのね、あたしが外を歩くと 雨は次第に止んでいくんだ。」 自信満々に言う舞子が可愛らしくてつぃ笑ってしまう。 「あー!笑ったな。 ひどい!」 ごめんごめん。 でも、舞子が晴れ女だったら 僕は雨男だろうな。 僕の心は君みたいに晴れてないから。 横で僕に微笑む君。 その光で僕を照らしてほしい。