家の外では物音がし始める。 「あっ、雨だ。」 僕の唇から顔を離す舞子がぽつりと言った。 「帰らなきゃ。」 「濡れちゃうよ?」 「それは慣れっこ。」 舞子はふふっと笑う。 でも、僕は納得ができない。 「傘かすよ。」 舞子が僕の目を見る。 「ビニール傘、ある?」 え・・・ 「ビニール傘はないけど…。」 「じゃあ、いいや。」 舞子はちょっと苦笑い。 僕と舞子の関係は大人には内緒。 その内緒があるだけで 僕たちは大人の仲間入りみたいに感じた。 いや、そう思うのは僕だけかもしれない。