「これからはちゃんと話をしよう。」
家に戻った二人は向き合って座った。照明を落としたリビングで影が伸びる中、裕紀は言葉を選んで伝えた。
「俺たちは同じ方向を向いていると思っていたけど……違う道を歩んでたんだね」
美桜は小さく頷いた。
「私はね……寂しいよ。」
「うん。」
「裕紀はどんどん先に行っちゃうみたいで……時々ね、置いて行かれるんじゃないかって怖いの。」
「置いていくわけないだろ。」
彼女の目を見つめる。潤んだ瞳の中に映る自分が情けなく見えた。
「俺も迷子になってたんだ。自分のことで精一杯で、一番大切なものが見えなくなっていた。」
「大事なもの……?」
「美桜だよ。」
その一言で堰を切ったように二人の会話が始まった。
互いの不安を打ち明け、すれ違った心を修正していく時間。
夜が更けても途切れることなく続く対話の中で、二人は再び同じ道を歩み始めた。
家に戻った二人は向き合って座った。照明を落としたリビングで影が伸びる中、裕紀は言葉を選んで伝えた。
「俺たちは同じ方向を向いていると思っていたけど……違う道を歩んでたんだね」
美桜は小さく頷いた。
「私はね……寂しいよ。」
「うん。」
「裕紀はどんどん先に行っちゃうみたいで……時々ね、置いて行かれるんじゃないかって怖いの。」
「置いていくわけないだろ。」
彼女の目を見つめる。潤んだ瞳の中に映る自分が情けなく見えた。
「俺も迷子になってたんだ。自分のことで精一杯で、一番大切なものが見えなくなっていた。」
「大事なもの……?」
「美桜だよ。」
その一言で堰を切ったように二人の会話が始まった。
互いの不安を打ち明け、すれ違った心を修正していく時間。
夜が更けても途切れることなく続く対話の中で、二人は再び同じ道を歩み始めた。



