俺に出来ることは無駄にテンションをあげ、鈴奈ちゃんに気まずい思いをさせへんようにすることや。



喜べ俺!

大好きな鈴奈ちゃんのために出来ることがあるやん!




鈴奈ちゃんのヒーローにはなれんかったけど、俺は寮での最高のお兄さんになったる!




俺は2人に気づかれないようにそっと後ろを向く。



真っ赤な顔をして、彼方の背中に顔を沈めている鈴奈ちゃんが目に入る。





ズキっ…………



ちっ…。
まだ、心が悲鳴あげよるわ。



情けないな、俺。



俺はまるでこの苛立ち、辛さを雪に当たるかのようにザクザクと大きな音をたてながら宿を目指した。





宿まで、もう少し。