自分達の想いに蓋をした日からずいぶんたった。



久しぶりに会う小林は、美しくメイクをしていた。
伸びた髪を風に揺らし、キョロキョロと俺を探している。






もう教師と生徒ではない。
それなのに・・・



「先生ッ!」

俺に気付いた小林が手を振って駆け寄る。



その笑顔は昔と同じで、眩しかった。






「ねぇ、那奈。
俺の名前、覚えてる?」