「・・・同情なんて、いらない!!!」

ドンッ!

「同情なんかじゃないよ」
「嘘っ! じゃ、なんなの?! いつも避けてたじゃない!」

ドンッ!

「・・・・」

ドンッ!

俺は何も言えなくて、ただ小林を見た。

「私のこと嫌いなら見舞いになんて来なければいいのに!」

ドンッ!ドンッ!
 

胸を叩きながら小林は俺を見上げた。
小林は、口を震わせて俺を睨みつけた。
その大きな瞳からはボタボタと涙がこぼれている。
次から次へとあふれ出る涙を拭おうともせず、俺を見つめた。


今すぐ、抱き締めたい!

しかし、抱き締めてはいけないとわかっている。

俺は衝動をぐっと抑え、小林の頭を撫でた。


「・・・嫌いじゃないよ」


振り絞って出した声は、掠れて、少し震えていた。

このまま抱きしめて好きだと言えればいいのに・・・。

彼女の未来が笑顔であれと願いながら髪を撫でる。

泣き止むまでずっと頭を撫でた。


何もできない自分の無力さに怒りながら、少しでも小林の心が軽くなりますように、、、。