先生と病院に行った。

大したことがなかったとわかってよかった・・・。
ホッと胸をなでおろした。

私は横目でそれとなく先生をじっと見つめていた。
先生はまっすぐに前を向き時折、ミラーに目を向ける。

家族以外の運転する車にひとりで乗るのは初めて。
しかも先生がドアを開けてくれたりして、めっちゃ優しくて、かっこいい!
全く前を見てる横顔とか、周りを確認する時の視線とか、ハンドルを握るうでとか、チラリとこちらに向ける視線とか、少し笑う口許とか、もう、いろいろ好きすぎる!!

いやいや。
きゃあきゃあ(頭の中で)言ってる場合じゃない。
ちゃんとお礼を言わなくちゃ。
休みの日にわざわざ病院に連れてきてくれたんだもん。

ドキドキとうるさく鳴る心臓にそっと手を当て、ゆっくりと息を吐いて、口を開いた。


「・・・先生?」
「ん?」
「病院までついてきてくれてありがとう」

先生が私を見た。
目が合った。

「どういたしまして。大した事なくてよかったな」
「うん」
「何か聞く?」

先生は車の音楽をつけた。
最近お気に入りのバンドの音楽が流れた。

「あ、これ私も好き」

先生と同じ曲が好きだと分かって嬉しい!
浮かれた気分で先生を見ると、先生が優しくわたしを見つめてくれていた。

こ、これは!
まさか!
『いいカンジの雰囲気』というやつでは?!
みんなから聞くアレなのかぁ?!


恥ずかしすぎて顔を見ることができない。
心臓がバクバクする。

車が信号で止まった。

私はコクっと唾を飲み込んだ。


「先生も、すき」


生きてきて初めての告白だ!
心臓が口から飛び出しそうー!!!
緊張で先生から視線を下に向けてしまった!