「・・・先生?」
「ん?」
「病院までついてきてくれてありがとう」

ちらりと小林さんを見る。
小林さんは俺の顔をしっかり見つめていた。

そのまっすぐな視線に俺はドキッとしてしまった。

俺は大人だ。

小林さんはまだ子供だぞ。

こんなことを思う時点でアウトだろう?

気分を変えたくて音楽をつけた。
「あ、これ私も好き」
そう言って頭を揺らしてリズムをとる小林さんをそっと見つめた。
俺の視線に気づいたのか、小林さんが俺を見た。

そして小林さんは、

「先生も、好き」

と言った。

そのまっすぐな視線に戸惑った



  *

数日後ー。
俺は校長室に呼び出された。