離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


あんぐり口を開けたまま、エレベーターで最上階の六階へ。

「セキュリティカードは未依のもあるから、あとで渡す」
「私の……?」
「当然だ。一緒に住むつもりで買ったんだから」

以前、そんな話を聞いたけれど、実際に見るのとではまた違う。それにどう反応したらいいのかわからないまま、未依はリビングへと通された。

大きなL字の白いソファの向かいには、こちらも大きなテレビボード。間には丸いガラスのローテーブルがある。二面に配置された窓がより空間を広く感じさせ、敷地内の庭園の木々がよく見えた。

「好きなとこに座ってて」

そう言って、律がキッチンへと向かった。

ソファの端に腰掛け、こっそり部屋を見回す。リビングの続きのダイニングにはナチュラルウッドの六人掛けのテーブルが置かれ、グリーンのクッションが差し色として効いている。部屋の隅に置かれた観葉植物の存在感もあって、全体的に木のぬくもりを感じるナチュラルなインテリアだ。

さらにキッチンもかなり大きく、調理台とは別にカウンターまで設置されている。