離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


未依が笹井だけでなく隣の紺野もじろりと睨むと、病室内に賑やかな笑い声が響いた。

「それにしても、みーちゃんは二十七か。どうだ、うちの息子の嫁にこないか?」
「笹井さん。上の息子さん、今年大学受験って言ってませんでした?」
「見た目はすでに俺に似てるから、みーちゃんと並んでも違和感ないぞ」
「……もう、どこからツッコんだらいいんだか」

十歳も年下の息子を勧められたこととか、四十代の笹井と似ているのなら未依と並んだら違和感しかなさそうだとか、いくつも指摘すべき部分が浮かんでくる。

それでも、こうして笑って過ごせていることに、未依は頬を緩ませた。

(よかった、今日もみなさん変わりはなさそう)

どれだけ元気そうに見えても、笹井は慢性腎臓病、紺野は肺気胸という病気と闘っている。家族と離れ、自身の体調にも不安を抱き、辛い時だってあるだろう。

そうした時、その悩みを聞いたり、弱音や愚痴を吐き出せる存在でありたい。