離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


「でも今日、櫂と紬と会って少し考えが変わった」
「……え?」
「未依との子供をふたりで育てるって想像してみたら、すごく幸せだったんだ。未依に似た子供なんて、可愛いに決まってる。でも大変な思いをして生むのは女性だから、未依の気持ちを尊重したい」

律も未依と同じように、自分たちの間に子供がいたらどんな感じだろうと考えてくれていたらしい。その事実が嬉しくて、未依は自分を抱きしめている腕にそっと手を添える。

「私、律くんとの赤ちゃんほしい」

素直な気持ちを呟くと、未依を抱きしめる腕に力が籠もった。それと同時に、腰骨に当たっていた律の熱がより大きくなった気がする。

「あぁ。俺も未依との子供がほしい。でも、あと一年くらい先でもいいか?」
「う、うん。タイミングはふたりで考えたらいいと思うけど、どうして?」
「結婚式までに妊娠すると、ドレス選びも準備も大変になるだろ」
「あ、そっか」

つわりが酷くて準備ができないのは困るし、お腹を締めつけないドレスだとデザインも限られてしまうだろう。