離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


ハッとして口元を押さえたが、声に出したものはもう戻せない。

律も未依の言葉にぎょっとした顔をしていたが、すぐに意図に気づいてくれたらしい。

「未依は、子供がほしいのか?」
「……うん」

隠しても無駄だと観念し、未依は頷いた。

「律くんは? 最初から避妊してたし、もしかして子供は全然考えてない?」

それなら正直にそう言ってほしい。こういうのはどちらかが我慢するべきではなく、互いに納得するまで話し合うべきだと未依は思っている。

律は未依の腕を掴んで引き起こし膝の上に乗せると、背後からぎゅっと抱きしめてきた。

「正直、俺は未依さえいればいいと思ってて、子供についてちゃんと考えたことはなかったんだ。特に子供好きというわけでもないし、それよりも未依の気持ちを取り戻すのに必死だったから」

未依は静かに頷いた。