離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


「そっか、よかった」

橋田が無事と聞き、ホッとする。どれだけ怖い思いをさせられたとはいえ、助からなくていいとは思えない。このまま回復して、警官が言っていたような治療を受けてくれたらと願う。

「遅い時間だけど、たまご雑炊を作ったの。まずはご飯にしない?」
「あぁ。そうだな」

律が着替えている間にお椀に雑炊をよそう。ごま油で風味付けしたため辺りに香ばしい匂いが漂い、食欲が刺激される。

「いい匂いだな」
「チキンを買ってたから雑炊に入れたの。クリスマスっぽさはまったくないけど、我ながら美味しくできたと思うよ」
「ありがとう。クリスマスは明日仕切り直そう。せっかく夫婦で過ごす初めてのクリスマスだしな」
「うん」

律も同じように考えてくれていたと知り、未依は嬉しくてふわりと微笑む。

食後はふたり分のお茶を淹れて律と並んでソファに座り、改めて今日の出来事を話した。橋田に言われた言葉も覚えている限り伝えると、律は思い切り眉間に皺を寄せている。