離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


高校に進学し、新しい恋を見つけようと思ったこともある。クラスで一番人気のイケメン男子、ひとつ上のサッカー部のエース、ふたつ上の生徒会長。

周囲の女子たちから支持を得ている男子に目を向けてみても、律の魅力には到底及ばない。友人たちと恋愛の話をしていても、頭に思い浮かぶのは律の顔。

だから未依は、律への恋を諦めることを諦めた。

無理をしても、気持ちがなくなることはない。必死に諦めよう、律に会わないようにしようとすればするほど、苦しくて仕方なかった。

だったら、心の中で思い続けるのはいいのではという結論に達したのだ。

どのみち律は医学部に進学して忙しく、頑張って避けなくとも気軽に会えるような環境ではない。

そう開き直った未依は、須藤家との食事会にも参加するようになり、ごくたまに会う律に対しても以前のままの態度をとれるようになった。

元々、楽観主義で割り切りのいい性格をしているため、そうと決めてしまえば気は楽だった。