離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました


そうと決まればベッドのシーツを変えておこうと立ち上がった時、リビングの扉が開いた。

「律くん、お風呂お先にありがとう。浴槽がめちゃくちゃ大きくてビックリしちゃった」

にこにこと笑顔で出てきた未依は、湯上がりのため頬がうっすら桃色に染まっていた。まだしっとりしている髪が首筋に張り付いている様がやけに艶めかしい。

本人は昔から幼く見える童顔を気にしているが、律の目には十代の頃からずっと魅力的な女性に映っている。

ゆったりとしたロングTシャツに膝上のショートパンツから伸びる白く柔らかそうな脚が、強靭な理性を打ち砕こうとしているかのようで思わず喉が鳴った。

(俺は中学生か)

ぎゅっと目を瞑り、煩悩を打ち消した。

「律くん?」
「いや、なんでもない。それより、ちゃんと髪が乾ききってないだろ。風邪引く」

律を待たせているからと、早めに切り上げてきたのだろう。洗面所からドライヤーを取ってきてソファに座ると、自分の脚の間をぽんぽんと叩いた。