そのため、周囲の女性たちが騒げば騒ぐほど、律の中では『女性とかかわるとろくなことがない』という認識が植え付けられていく。
そんな時に未依からの告白を聞き、律の心に芽生えたのは〝喜び〟だった。
真っ赤な顔で律に想いを伝えてくれた未依を目にした瞬間、全身が沸騰するかのような興奮を覚え、それと同時に大きく狼狽えた。
彼女はまだ中学を卒業したばかり。成人した律が安易に頷いていいはずがないし、自分自身も信じられない思いだった。
(子供相手に、なにを考えてるんだ……!)
だからこそ動揺し、酷い言葉で未依を傷つけてしまったのだ。
未成年の未依を恋愛対象として、もっと言えば性的な目で見てしまった自分を否定したくて、試しに同年代の女性と告白されるままに数人と付き合ってみたが、結果は散々だった。
自分の要求ばかり押し付けてくる彼女たちといるのは、苦痛以外のなにものでもない。どれだけ誘われてもなんの魅力も感じず、誰とも深い関係に至らないまま破局を迎えるのを繰り返せば、嫌でも理解する。
あとにも先にも、律の心を揺さぶるのは未依だけだと。
他の女性に触れたいとも思わないし、触れられたくもない。時間の無駄だとすら感じた。



