記憶喪失の私、総長サマに拾われました(泣)

家を案内している時も、細かい所に気を使ってくれて、すごく暖かく感じた。
「そういえば、君の名前は?」
あ、そっか!私これからお世話になるのに自己紹介もしてない…
「美波…です。」
「美波…いい名前だ。」
美波って名前は、私もすごく気に入っているから、そう言ってもらえて嬉しいな〜。あ、そういえば彼の名前も聞いてない…
「えっと…あなたの名前は…」
「…暖和(はるわ)
「暖和…さん。」
「あー、あとタメでいいよ。俺、敬語苦手だし。それから、さん付けもやめよっか。」
確かに、敬語だと堅苦しかったかな
「暖和…くん…?」
すると、なぜか彼はツボってしまった…
「ははっwくんって…他にないの?」
笑いを堪えてるのか、声が震えてる。
…そんなに笑わなくてもいいのに、
「さん付け、くん付け以外に何があるんですか。」
ムッとしながら聴いてみた。
「呼び捨て。」
…呼び捨てかぁ。私友達以外で呼び捨てにしたことないから…
「ま、呼び方は、慣れてからでいいよ
それより、敬語はすぐに外すこと。」
「は、はいっ。わかりました」
「………」
彼からの無言の圧で、敬語を使っていることに気づいた。
「あ、わかっ…た。」
彼は満足そうに頷(うなず)いた。
だ、だって、敬語外すの慣れてないんだもん。