って…私ここがどこなのか分からないんだった…どうしよう…。
1人であたふたしていると、その人は、腰を(かが)めて
「帰る場所…ないのか?」
と、聴いてくれた。
…これ以上迷惑かけたくないけど、今のところこの人以外で頼れる人
居ないから、もう少しだけ、
助けてもらおう。
「…帰る場所が無いというか…その…」
説明の仕様がなく、ゴニョゴニョ言っていると、再び頭にポンと、
手を置かれて
「なら、うちに来い。」
と、平然と言ってきた。
頭に置かれた手が暖かくて
心地よかった。って…何考えてるの私!
「お、お世話になります…!」
「ん。歩いて20分位だけど大丈夫そ?」
「全然!大丈夫です!」
気遣ってくれるの優しいな〜と思ってたら。
「ふふっ」
!今…笑った?
彼の笑顔は、やっぱり優しかった。