「慰謝料請求しないであげとくからさぁ、楽しいコトしようよ〜」
い、嫌だ…逃げないと…っ
あぁ…足がっ…動かない……
「震えてる〜大丈夫だって」
「すーぐに気持ち良くなるからさ」
怖い、怖い、だ、誰かっ…
「おい。ここ、俺らの島なんだけど」
地を()うような低い声と同時に、目の前に居たはずの男達が吹っ飛んでしまった…。
「ひっ…」
え、うそ、倒れてるけど…
大丈夫なの?こ、これ…血?
「おい、そこの中学生」
「は、はいっ…」
…一応高校生なのですが?
その人は、私にゆっくり近づいて
おでこに向かって手を伸ばした。
殴られるっ!?…咄嗟(とっさ)に目を閉じたが、頭に冷たい何かを当てられた。
「…え?…アイス?」
二人で割るようのアイスが渡された。
と、同時に撫でられた。
…ん?撫でられ…え?
「怖かったろ。もう大丈夫だ。帰んな」
さっきの地を這う声とは、到底(とうてい)思えない優しい声だった。