恋がしたい!

ニヤニヤしてるクロは無視して、
「うーん。なんだろうねえ・・・彼氏が欲しいっていうより、好きな人が欲しい」
と言うと、
「え?そっから?」
「これが拗らせってやつなのか?」
と、驚かれた。

「いやいやいやいや、拗らせないよ。
彼氏とかより、きゅんとかキャッとかっていうトキメキが欲しいのよ」
「タマ!わかる!私、分かるわよ!」
離れたところからえっちゃんと真由子が食い入ってきた。

「メイには俺がいるからわかんないよねー?」
流星が真横に座るメイの頭をくいっと自分に引き寄せて、頭にキスを一つ落とした。

「「「きゃー!これ!このきゅんきゅん!!」」」
「もう!流星何すんのよ!こんなところでしないでよ!恥ずかしい!」

盛り上がるえっちゃん、真由子と私の目の前で、流星がメイにちょっかいを出して、いつものように怒られていた。
それを見て笑っていると、頭上に大きな手が当たる感覚がした。


と思って上を見ると、
ポンポン。
クロが頭に手を乗せて、優しく頭を叩いていた。

「ん?どしたの?」
と尋ねると、くいっと頭を押されて、体がクロの方に倒れそうになった。
あわててテーブルと床に手を付き、体に力を入れて転ばないように踏ん張った。

「おい、抵抗するなよ」
と笑うから、
「は?頭捕まえるからでしょ?」
と言うと、
「いいか、タマ」
と真剣な顔をしてこう言った。

「これが『きゅん』だ」
「は?」
「まず、頭をポンポン」
「…頭をポンポン…」
「次に、胸にトン」
「胸にトン?」
「タマが踏ん張らなければ、俺の胸にぶつかってるはずだったでしょ?
そしたら、キュンキュンするはずだったんだよ」

「・・・まじか。」
「・・・・まじだ」
クロが静かに頷いた。

「「ぷっ」」
メイと流星が耐え切れずに笑った。

「私には難しかったよ」
「だろうな」
と笑ったクロは頭から手を放して、そのままビールを飲んだ。

ん?そのビール色が私が飲んだのと違う?