チラっと父の方を見ると、父も目を見開いている。
どうやら、父も知らないという事は、私と父の認識は一致しているという事だ。
「だ、第一王子殿下。立ち話も何ですから応接室にご案内致します。さぁどうぞこちらへ」
父はライアン様にそうお声を掛けた後、
「第一王子殿下を案内して差し上げろ」
と、父が執事にそう命令し、執事長にこっそり王室に確認するよう指示を出している。
何がどうなってるの?
婚約者なんて、絶対、嫌なんですけど!
「ふん、公爵家の応接室とは、思ったより質素だな」
応接室に着くなり、ライアン様は悪態をついている。
「申し訳ございません。さぁ、今、お茶を用意させております。どうぞお寛ぎ下さい」
父がやや顔を引き攣らせながらも、笑顔で対応しているのを横目で眺めながら、私も父の隣りに座った。
前の人生では、マリーナがこの家に来るまで、うちを訪ねて来た事はない。
なのに、何故今の、婚約者ではない人生において、ライアン様がうちにやって来たのだろう。
しかも、盛大な勘違いをして。
そう考えながら、無言でライアン様を見ていた私が気に障ったらしい。
「おい、お前! 何故黙ってるんだ! 私を楽しませるように、何か話せ!」
う~ん。
ライアン様は私と同じ歳だから、今は7歳。
こんな歳の頃から、こんなに横柄だったかな?
マリーナと出会うまでのライアン様は、気難しいながらも、まだ節度は弁えていたような気もするけど……。
「気の利いた会話が出来なくて、申し訳ございません。第一王子殿下は、こちらへはお供の方はお連れになられなかったのでしょうか?」
そう。
第一王子ならば、お付きの人が必ず付いてくる。なのに、今回は護衛2人のみを連れての訪問なのだ。
その護衛の人も困惑している様子だし、これは王子の突発的な行動なのだと思った。
「何故そのような事を聞く? 別にあの者達が居なくても不都合はない!」
いやいや。
貴方に不都合はなくても、こちらは大ありなのですよ。
話の通じない、やたら権力だけある7歳児を野放しにしないでほしい。
どうやら、父も知らないという事は、私と父の認識は一致しているという事だ。
「だ、第一王子殿下。立ち話も何ですから応接室にご案内致します。さぁどうぞこちらへ」
父はライアン様にそうお声を掛けた後、
「第一王子殿下を案内して差し上げろ」
と、父が執事にそう命令し、執事長にこっそり王室に確認するよう指示を出している。
何がどうなってるの?
婚約者なんて、絶対、嫌なんですけど!
「ふん、公爵家の応接室とは、思ったより質素だな」
応接室に着くなり、ライアン様は悪態をついている。
「申し訳ございません。さぁ、今、お茶を用意させております。どうぞお寛ぎ下さい」
父がやや顔を引き攣らせながらも、笑顔で対応しているのを横目で眺めながら、私も父の隣りに座った。
前の人生では、マリーナがこの家に来るまで、うちを訪ねて来た事はない。
なのに、何故今の、婚約者ではない人生において、ライアン様がうちにやって来たのだろう。
しかも、盛大な勘違いをして。
そう考えながら、無言でライアン様を見ていた私が気に障ったらしい。
「おい、お前! 何故黙ってるんだ! 私を楽しませるように、何か話せ!」
う~ん。
ライアン様は私と同じ歳だから、今は7歳。
こんな歳の頃から、こんなに横柄だったかな?
マリーナと出会うまでのライアン様は、気難しいながらも、まだ節度は弁えていたような気もするけど……。
「気の利いた会話が出来なくて、申し訳ございません。第一王子殿下は、こちらへはお供の方はお連れになられなかったのでしょうか?」
そう。
第一王子ならば、お付きの人が必ず付いてくる。なのに、今回は護衛2人のみを連れての訪問なのだ。
その護衛の人も困惑している様子だし、これは王子の突発的な行動なのだと思った。
「何故そのような事を聞く? 別にあの者達が居なくても不都合はない!」
いやいや。
貴方に不都合はなくても、こちらは大ありなのですよ。
話の通じない、やたら権力だけある7歳児を野放しにしないでほしい。
