「お母様、お加減はいかがでしょうか?」
「ルーシー、来てくれたの? 嬉しいわ。ルーシーの顔を見たら元気になるわ。さぁ、こっちに来て」
久しぶりにお母様の部屋を訪れ、声を掛けるとお母様はとても嬉しそうにしてくれた。
お母様に呼ばれて、嬉しくて駆け寄って抱きつく。
お母様の匂いだ。
お母様はまだ生きている。
前の人生では、病弱な母の負担になるため、母の部屋を訪室する事は控えるようにと父に言われていた。
ライアン様の婚約者になってからは、忙しくて余計に訪室する機会も減り、どんどん衰弱していく母を看取ることすら出来なかった。
でも、今回は違う。
母と過ごす、この一瞬一瞬を大切にしていきたい。
病気を治して、元気になってもらいたい。
そのための努力を怠ってはダメだと感じた。
「ルーシー、あなたの書いてくれた絵、とても素晴らしいわ。鮮やかな花がこの部屋まで明るくしてくれて、元気をもらえてるのよ」
母は壁に飾ってくれた私の絵を見ながら、嬉しそうにそう言ってくれた。
「お母様が元気になってくれるなら、わたくし、いっぱい描くわ! だから、早く元気になって下さいませ!」
母に抱きつきながらそう言う私を、母は愛おしそうに頭を撫でてくれる。
絶対に母を元気にしたい!
私は部屋に戻ってから、母方の祖父へと手紙を書いた。
母が元気な時は、時々母と共に祖父の所に遊びに行って、絵を教えてくれた祖父。
何故かここ2、3年程は疎遠となってしまったが、父を頼れない今、母方の祖父しか頼れない。
父に、母の病気を治すために、医者を呼んで欲しいと頼んだ。
しかし、すでに医者に見せており、気の病だから大した事はないと言われた。
その為、まともな治療も行わずにそれ以降、医者に見せていないとのことだ。
本当に大した事がないのなら、1年後に亡くなるはずがない。
なので、祖父に頼んで別の医者を派遣してもらおうと思ったのだ。
そして、前の人生で知った知識を生かして、まずは母の部屋の換気をよくした。
そして、食の細い母でも栄養が取れるような食事を考えて欲しいと、料理長に頼んだ。
これまでは、豪華な食事の提供を常としてきたらしいけど、胃が弱く食の細い母には、苦痛でしかないはず。
豪華なものよりも、食べやすいおじやなどあっさりした物をベースに作って欲しいとお願いした。
最初は渋っていた料理長も、私が何度も頼み込んだ事でようやく引き受けてくれた。
出来ることをしながら、祖父の返信を待っていたある時、突然の来訪客が現れた。
「ルーシー、来てくれたの? 嬉しいわ。ルーシーの顔を見たら元気になるわ。さぁ、こっちに来て」
久しぶりにお母様の部屋を訪れ、声を掛けるとお母様はとても嬉しそうにしてくれた。
お母様に呼ばれて、嬉しくて駆け寄って抱きつく。
お母様の匂いだ。
お母様はまだ生きている。
前の人生では、病弱な母の負担になるため、母の部屋を訪室する事は控えるようにと父に言われていた。
ライアン様の婚約者になってからは、忙しくて余計に訪室する機会も減り、どんどん衰弱していく母を看取ることすら出来なかった。
でも、今回は違う。
母と過ごす、この一瞬一瞬を大切にしていきたい。
病気を治して、元気になってもらいたい。
そのための努力を怠ってはダメだと感じた。
「ルーシー、あなたの書いてくれた絵、とても素晴らしいわ。鮮やかな花がこの部屋まで明るくしてくれて、元気をもらえてるのよ」
母は壁に飾ってくれた私の絵を見ながら、嬉しそうにそう言ってくれた。
「お母様が元気になってくれるなら、わたくし、いっぱい描くわ! だから、早く元気になって下さいませ!」
母に抱きつきながらそう言う私を、母は愛おしそうに頭を撫でてくれる。
絶対に母を元気にしたい!
私は部屋に戻ってから、母方の祖父へと手紙を書いた。
母が元気な時は、時々母と共に祖父の所に遊びに行って、絵を教えてくれた祖父。
何故かここ2、3年程は疎遠となってしまったが、父を頼れない今、母方の祖父しか頼れない。
父に、母の病気を治すために、医者を呼んで欲しいと頼んだ。
しかし、すでに医者に見せており、気の病だから大した事はないと言われた。
その為、まともな治療も行わずにそれ以降、医者に見せていないとのことだ。
本当に大した事がないのなら、1年後に亡くなるはずがない。
なので、祖父に頼んで別の医者を派遣してもらおうと思ったのだ。
そして、前の人生で知った知識を生かして、まずは母の部屋の換気をよくした。
そして、食の細い母でも栄養が取れるような食事を考えて欲しいと、料理長に頼んだ。
これまでは、豪華な食事の提供を常としてきたらしいけど、胃が弱く食の細い母には、苦痛でしかないはず。
豪華なものよりも、食べやすいおじやなどあっさりした物をベースに作って欲しいとお願いした。
最初は渋っていた料理長も、私が何度も頼み込んだ事でようやく引き受けてくれた。
出来ることをしながら、祖父の返信を待っていたある時、突然の来訪客が現れた。
