「しばらくは仕事忙しいから充電(笑)」
「私も家の片付けしてバイトも今月で辞める事にする」
「うん、何か言われたら渡瀬建設の名前を出していいからな」
「はい(笑)」
香穂理はもう一度廉をぎゅっとして心を落ち着かせる事ができた。
廉の仕事も始まり、お互いの日常が始まった。
香穂理の家の解約を済ませ大きなものを処分し、立ち会いも大学が始まるまでに済ますことが出来た。
一ノ瀬のバイトは所長には勉強に集中したいと言うと今月で辞める事を理解してくれた。
バイトが終わり駅に着くとバイト先の芦屋さんが後ろにいた。
「小澤さん、辞めるんだってね」
「はい、やっぱり勉強の時間が必要なので」
「設計事務所で働いた方がいいとは思うけどね」
「そう思ったんですけど院に進むために勉強する事にしました」
電車が到着したので一緒に乗り込んだ。
「寂しくなるなぁ、やっぱり女の子がいると事務所が明るくなるのに」
「それはまたバイトが来ますよ」
「小澤さんみたいに可愛い子じゃないとなぁ…」
「そんな、容姿で判断しないでくださいよ」
「僕が履歴書の写真で選んだからね、小澤さんのバイトの合否は……今度二人で食事にでも行かないかい?」
「すみません、忙しいので…芦屋さん結婚してますよね?」
「まあ、でも食事くらいはいいでしょ」
「すみません」
「そっか…残念だな…あっ、次で降りるんだよね、それじゃあ」
芦屋さんは香穂理から離れて行った。
何で降りる駅知ってんの?あっ、住所みたからか…キモっ
停車すると芦屋さんが降りてキョロキョロしていた。
香穂理が降りるのを探しているようだ。
やば〜ストーカーみたい…明日所長に一応報告しておかなきゃ
夜、廉さんに報告したら
「前の家に帰らなくてよかったな、何かあったらすぐに言うんだよ」
「うん、とりあえずまだ食事に誘われただけだから…所長に言っておく」
それがいいと廉さんは言ってくれた。



