披露宴も終わり、1番最後に会場を出ると廉さんが待っていた。
私の両親に挨拶をして、スマホをポケットから出した。
「香穂理ちゃん、明日会える?」
「明日は東京に帰るよ」
「何時の新幹線?」
「夜だけど…」
何となく時間は言いたくなくてぶっきらぼうに答えてしまった。
「じゃあ、連絡先交換しようか」
「あっ……はい」
小さなバッグからスマホを出し、廉さんと連絡先を交換した。
「じゃあ、二次会に行ってくる、起きたら1度連絡するから」
「……わかった」
それからは両親とバタバタして親族を送り出し、タクシーで家に帰ってきた。
お風呂にゆっくりつかり、廉さんの事を考える。
要はパーティーに来てくれって事だよね…
お兄ちゃんも結婚したし、そろそろ身を固めろみたいな事でも言われたのかな?
で、ちょうど彼氏がいなく、東京にいる、そうか、条件が当てはまった訳だ!
廉さんみたいにかっこいい人に彼女はいないのかな〜
遊んでそうな感じはするけど……
10年て、変わるもんだなぁ…
お風呂から出てしばらく両親と話し、自分の部屋へ戻り招待状を見た。
「12月26日か…バイトを休ませてもらえたら行けない事はないか…」
廉さんが困ってるなら助けてあげたいけど、やっぱり理由を聞いてからかな
「ふぁぁ、疲れた、寝ようっと」
香穂理はベッドに入るとすぐに寝てしまった。
昼過ぎに1階で声がして目覚めるとお兄ちゃんが来ていた。
「おはよう〜」
「もう昼だぞ(笑)」
「だって〜いくらでも寝れるし」
「あれ?お義姉さんは?」
「向こうの家に行ってる」
テーブルの上にはたくさんのご祝儀袋が置いてあった。
お兄ちゃんがパソコンで打ち込みをしながら話かけられた。
「香穂理、昨日廉と話した?」
「あー、少し」
「会うんだったら色々今の建築状況とか聞いとけよ」
「まだ会う約束はしてない」
「そっか」
「ってか、廉さんが渡瀬建設の人とは知らなかった」
「言ってなかったかな」
「聞いてない!苗字知らなかったもん」
「まあ、香穂理が大学の建築学科行きたいって言い出した時は廉とは会ってなかったからな〜」
「確かに、私は高校は普通科だったし仕方ないよ、お兄ちゃんは廉さんに何でも言い過ぎ!」
「聞いてくるんだよ、廉が……香穂理の事が昔から可愛いらしくてさ」
「昔って小学生のガキじゃん」
「廉には写真も送ってたからな(笑)」
「え〜……お兄ちゃん、おかしいから」
お母さんからお昼ご飯よと声がかかりそれから廉さんの話は出なかった。



