どうせアレだろ?
よく内容も確認しないまま
「あっじゃあそこでイイデス」
みたいなノリで繁孝とサインしちゃった感じだろ?
そう考えると怒りのパロメーターが一気に上昇した。
『私の人生を返せェェエー!!』
先生の襟首を乱暴に掴んだ。
「まさか試験に落ちるとは……」
そのまさかが起こっちまったんだからしょうがねぇだろハゲ!!
『とにかく嫌です!!勘弁してくださいよ!!男子校っていったらアレ……巣窟じゃないでスかァ!』
「君は強いから大丈夫さ」
『お前に何が分かるんだハゲ!!毛根死んでるぞ』
「ハゲは差別用語だから止めなさいって言ってるだろ!!」
『差別差別差別……キャベツになっちゃいますね』
「マジ黙れ。まぁ決まった事だから諦めろ」
このオヤジ……ハゲの癖にムカつく
『あぁ、もうイイっスよ!!こんチキショー!!』
私は無理矢理怒りを静めると職員室をあとにした
―――
―――――
『そういえばあの後友達に言ったら笑われると思ったのに哀れみに満ちた目で見られたっけ?』
私はあの友達の目を思い出しながら高校への道を歩いた。
高校への道=男子校ヘの道=魔の巣窟へレッツゴー
『ムキャーーーーッッ!!』
突然奇声をあげた私に通行人は怪訝な顔を浮かべた。
やっぱりズボン履いてきてよかった。昨日までスカートかズボンか迷っていたけど男子校って事でズボンにしたのだ。
男子校って変態とか多そうだし…ズボンなら安心だよね。うん!
そんな事を考えているとついに高校についてしまった。
私はゆっくり深呼吸をすると足を踏み入れた――
―――
―――――
保健室には5人の生徒が集まっていた。
「っくしゅ!!」
その中の一人が大きなくしゃみをした。
「……風邪?」
いや春に風邪はないだろ〜…
「また誰かに噂されてんだろ」
あっそれだ…
俺はニッコリ微笑を浮かべた
「今度は誰に噂されてんのかな〜」
それはやっぱり
「可愛い子だろ」
これから会う姫みたいな
可愛い子…――