「はい」
前から来た紙を歩くんに渡す
「おう、柚乃は進路決めてるのか?」
「…んー、まだわからないかな」
両隣の女の子に適当な返事をしたみたいで歩くんに話しかけられている私を睨んでくる
歩くんはそのことに気付いていないみたいだ
その女の子たちの視線が怖くてすぐ前を向いた
進路か…考えたこともなかったな
将来は好きな人のお嫁さんになりたいって小さい頃から言っていたけど今の自分は恋愛から程遠すぎて無縁かな
今の私は叶わない恋をしているだけのただの女子高生だ
「ねぇねぇ、菜々は進路決めてるの?」
「うん!まぁ将来的には家族を持ちたいけど私は保育士かな!」

