さっきまでの菜々とは打って変わって真剣な表情で歩くんに向き合っている
「あぁ、そうだな…柚乃、ごめんな」
「いいの。来てくれてありがとう」
不安気な顔で見下ろしてくる歩くんに少し心が弾む
本当に私のこと心配してくれてたんだな…
「俺…柚乃のことになると焦って何も見えなくなる」
「…え?もう一回言って?よく聞こえなかった、、、」
呟くように言った言葉があまりにも小さくて耳に届かない
「はっ…!」
急なことに思考が停止する
目の前は真っ暗で歩くんのいい匂いがして温かい
「よかった…本当に良かった」
「あ、歩くんっ…?」
「もう少しこのままでいさせて」
ぎゅーっとより力強く抱きしめられてちょっと苦しいけどこの幸せな時間を逃したくなくて温もりを感じていた

