その溺愛(重い感情)、見えてます。

〇前話と同じ
朝比奈「俺は……  
    好きだ!」
その一言の処理が出来ない。好きって何?何の話?だって、だって、……!
心音「……長年片思いしてる人がいるんじゃないの?!」
私は取り乱している。
朝比奈「いや、いない。それは前の彼女と別れるときに理由がないと困るから適当に言っただけ。」
朝比奈君は熱い視線で見つめている。
心音「だって!私を好きに見えたのは勘違いなんじゃ、ないの?!」
朝比奈君「勘違いじゃない。本当に好きだ。」
朝比奈君は手を握ってくる。

〇サイコメトリー中
今までの私に対しての愛情の感情が流れる。

〇現在に戻る
そんなまさか。まさか。こんなに愛してくれていたなんて。この感情だけでお腹いっぱいだよ……!
朝比奈「小鳥遊さん?!」
気づいたら大粒の涙を流していた。
朝比奈「ごめん嫌だよね。もう離れるから……」※途中で割り込む
心音「ちがうの!私も……。」
決意の一言が出てこなくて目を泳がせてしまう。恥ずかしい。胸がうるさく鳴っている。
朝比奈「……ゆっくりでいいよ。」
朝比奈君にはバレてると思う。なら言ってもいいけど、やっぱり顔が熱くなっていろんな感情に邪魔される。
心音「……好き、……です。」
聞こえるか分からないぐらい小さな声で思いを告げる。
朝比奈「本当……?!」※心音はゆっくりうなずく。
朝比奈「ありがとう!大好きだよ。」
温かい体温が私の体を包み込む。どちらか分からないけど、海の音でも誤魔化せないぐらい、心臓の音がうるさく響いてる。サイコメトリーは起きなかったから余計に静かに朝比奈君を感じれた。

〇数分後
数分抱き合ったあと、落ち着いたため二人で海を眺めていた。
心音「あのさ、一つだけお願いがあるの」
朝比奈「なに?」
私は深呼吸をする。
心音「この関係は学校の子には内緒で。」
朝比奈君は口を開くが止める。
朝比奈「……分かった。きっと、俺の周りの人の問題だよね。」 ※心音は頷く
心音(朝比奈君の歴代彼女は相当な可愛さでそれでも、嫌味を言われてたのに、私が彼女なんて言ったら……。想像つく。それに、朝比奈君もそんなに否定されるなら、私といるのが辛いと言い出すかもしれない。だから、全ては私を守るため。朝比奈君は嫉妬するかもしれないけどお願いした。)
心音「ごめんね。」
朝比奈「……大丈夫。」
大丈夫という顔では無いけど気にしない振りをした。
朝比奈「ねえ、記念にシーグラス、探さない?」
心音「ふふ、あり。」
朝比奈君は気持ちを切り替えている。
心音(聞いたことはあるけど見たことはないんだよね。ここにはあるのかな?)
朝比奈「じゃあ、よーいドン!」
競争でもないのに二人は真剣になって探し始めた。
心音「ここ、シーグラス、有名なの?」
朝比奈「まあ、それも有名だけど。」
なんか歯切れ悪そう。
朝比奈「……告白が、成功しやすい。って。聞いて。」
私がジーっと見つめていると観念した朝比奈君は表情は変わらないけど、よく見ると、耳を赤らめてカタコトに答えてくれた。
心音「そんなの調べるの……?」
なんだか私まで恥ずかしいのが移ったでしょ!二人で顔をそらす。
朝比奈「いや!小鳥遊さんが初めて!……あ。」※言ってしまったと戸惑っている朝比奈
初めて?!確か元彼女いたよね?その中でも初めて?※心音も顔を赤らめる
朝比奈「引いた?こんなに本気で恋人になろうとしてるのか、って。」
心音「まさか!それより、……嬉しい。」
朝比奈「え、本当?」
※心音は頷く。少し間が開く。
心音「あ!これ綺麗じゃない?!」
恥ずかしさのあまりたまたま見つけた水色のシーグラスを見せる。
朝比奈「本当だ。綺麗だね。あ、これは?」
朝比奈君の手にはピンクのシーグラスがある。
心音「かわいいね!」
朝比奈「じゃあ、交換はどう?恋人になって初めてのプレゼント!」
心音「初めてがこれで嬉しいよ。」
こうして私たちは恋人になった。大問題があるのに。

〇学校、下駄箱、朝
みーちゃん「なんか心音、元気そうだね!」
心音「え、そ、そうかな?!」
朝比奈君と付き合って初めての学校。なんだか緊張して汗が止まらない。別に朝比奈君と会う約束したわけでもないし、会えるとも限らないのに。
みーちゃん「ふーん。まあ元気なら何より!でも緊張してるでしょ?私の癒しを分けてやろう!」
相変わらず冗談好きだな。そう思いながらも背中をさすってもらう。確かになんか落ち着いたかも。
そんな冗談を言っていると、
和田先輩「あ!心音ちゃん!」
なんかあんな話をした後だから、適当な返事はしたくない。
心音「おはようございます!先輩!」
私が今までで一番明るいため驚いている。
和田先輩「ついに、俺に落ちた?!」
この人も冗談が好きなのか。でも冗談は時と場合によってはいいよね。和田先輩は笑いながら私の肩に手を回す。
心音「もう。」
そう言いながら少しだけ嬉しい。だって先輩は出会った時より本心で嬉しそうだから。
和田先輩「また話聞いてね!」
こそっと耳打ちしてくる。私はハイハイと返事してると、
朝比奈「先輩?」
またグイっと引っ張られて気が付けば朝比奈君の腕の中に。

〇サイコメトリー中
朝比奈の黒い感情が流れてくる。

〇現在に戻る
心音(これまたすごい嫉妬で。)
和田先輩「君は本当に心音ちゃんが好きだね。彼氏できたらどうするのさ!」
海での約束を守ってくれてるみたいで、いや、彼氏です。とも言えず、私は朝比奈君に触れられて顔も手足も熱い。
和田先輩「なあ?心音ちゃん?」
先輩が私の肩にポンと手を置くとすぐに朝比奈君が手を払う。
和田先輩「え、ああ、そういうこと?そっかー。残念だなー!」
先輩は私より能力が強いのかあの一瞬で私たちが付き合ってると気づいたみたい。
和田先輩「彼氏に飽きたら待ってるからな!」
こそっと告げて去っていった。
朝比奈「大丈夫だった?何話してたの?」
心音「え、あ、うん。大丈夫、だよ?」
なんか付き合ってると思ったら恥ずかしくて顔が見れない。
朝比奈「言いたいけど我慢したよ。俺は自慢したいけど。」
心音(私だって言いたい。でもそれは朝比奈君の隣にいてもいいと認められた後。悲しいけどそれまではひっそりとしていたい。海では私の気持ちは告げてないのになんとなく察してるみたい。)
心音「ありがとう。じゃあ、先に行くね!」

そんなことを話して歩き出すと携帯が鳴る。

和田先輩『この度はおめでとう!悲しいけどまあ楽しめよ!
   ところで、
心音ちゃんがサイコメトリーなこと、
知ってるのか?』