〇学校、下駄箱、朝
みーちゃん「昨日はごめんね!雨大丈夫だった?」
もう散々だったよ。と言おうとして止まる。みーちゃんの元気がないから。大丈夫?と聞いて背中を撫でるように触る。

〇サイコメトリー中
みーちゃんが彼氏と些細なことで言い合いになって喧嘩した映像が流れる

〇現在
心音「私は大丈夫。それよりみーちゃんのほうが大変だったんじゃない?」※自分のことは忘れてなるべく笑顔で接する。
みーちゃん「心音……!そうなの!本当に情けないけど、」※途中で固まる
朝比奈「おはよう。小鳥遊さん。」
途中で朝比奈に声をかけられる。本当はめんどくさいけど、顔を向ける。
心音「……おはよう。朝比奈君。」
周りがざわざわしだした。みーちゃんも固まってしまった。
朝比奈「あのさ、少し話したいことが」
心音「ごめんね今急いでて。みーちゃん行こう。」
※朝比奈はジーっと後ろ姿を見つめている。

〇教室へ向かう途中
みーちゃん「心音!本当に良かったの?」
みーちゃんに見られてしまったため昨日の説明をした。
心音(まさか人の多いところで話しかけられるなんて。)
心音「いいの。さ、行こう。」

〇移動教室へ向かう途中
みーちゃん「あ!忘れ物しちゃった!先行ってて!」※早歩きで教室へ帰っていく。
ひとりでボーっとしながら歩き始める
心音「きゃ!」
階段で足を踏み外しそうになってバランスを崩すと誰かに支えられる。
朝比奈「大丈夫?」※お姫様だっこをされる
心音「あ、ありがとう。」
心音(よりにもよって朝比奈君に助けられるなんて!)
心音「ではさようなら。」
歩き出すと腕を掴まれる。
朝比奈「俺のこと嫌い?」
怒られた子犬のようにシュンとしている。
心音「いや、嫌いでは、」
朝比奈「なら仲良くしてよ。俺は小鳥遊さんと仲良くしたい。」※嬉しそうに笑う
心音(誰がクールなんて言ったんだよ!?どこが?!)※混乱してる
心音「分かった。じゃあ、お友達から。よろしくお願いします。」※諦めた
朝比奈「ありがとう。」
朝比奈は近づいてきて抱きしめる。
心音(何これ!こんなのみんなにバレたら!)

〇サイコメトリー中
朝比奈と心音が話してる映像が出てくる。
朝比奈「ごめんねこんな姿見せて。」

〇現在に戻る
心音(気づいたら朝比奈君の記憶読んでた。)
心音「私たちって前に話したことあるの?」※朝比奈は体を離し目を少し見開く
朝比奈「覚えててくれたの?なら、
責任取ってくれる?」
背景に花が見えるくらいの表情を見せる朝比奈君。
心音(責任とは!?)
心音「責任ってなんですか……?」
私は色々想像しながら恐る恐る聞く。
朝比奈「愛してくれる人がいなかったら責任取るって言っただろ?」
心音(そうだったかな。全く身に覚えがない。ところで責任ってどうとれば。)※心音は困り顔
朝比奈「今週末一緒に出掛けてくれない?」
朝比奈君はすかさず携帯を手にとって操作している。
心音(過去の私はなんでそんな約束を!まあ後悔しても仕方ない)
諦めて私も携帯を手に取って連絡アプリを開く。
心音「分かった。」
朝比奈「ありがとう!!」
心音(朝比奈君はクールって聞いてたけど本当によく笑うな。)

〇移動教室の授業が終わり帰り途中
みーちゃん「ねえ、心音遅かったけど大丈夫?」
みーちゃんの温かきお言葉に目頭が熱くなる。
心音「うん、まあ少し大変で。でもみーちゃんの心配だけで落ち着いたよ!」※みーちゃんの頭をポンポンとなでる

〇心音の家、夕方
心音「ただいま!」
?「お!心音!おかえり!」
私は大好きな声に反応して慌てて靴を脱ぎリビングのドアを開ける。
心音「ゆう兄!!」
心音(声の主は昔から家族ぐるみで仲のいい年上の近所に住んでいるお兄さん!)
ゆう兄「心音は変わらず、かわいいな!」※心音の頭が揺れるぐらい撫でられる。でも心音は喜んでいる
ゆう兄「なあ、今週末出かけない?車で連れて行ってやろう!」
喜ぼうとして止まる。そうだった、朝比奈君と約束してたんだった。
心音「ごめん。ゆう兄。その日約束があって。」
ゆう兄「そうか。まさか恋人か?!」
心音「ちがう。友達だよ。」
ゆう兄「そうだよな!心音にはまだ無理だと思うぞー!」

〇週末、駅の通り、朝
※心音は淡いベージュ色のプリーツワンピースに小さなネックレスにスニーカーに小さめなバッグ。髪型はハーフアップ

待ち合わせのところまで行くと周りの人がざわざわしていた。この辺か。そう思い探すとやっぱり朝比奈君がいた。
心音(かっこいいな。)※思わず出てしまった。(って何言ってんだろう。)※慌てて口をふさぐ。
薄手のナイロンパーカーに白Tシャツ。スキニーパンツにスニーカー。そしてネックレス。シンプルだけど男の子らしい。
心音(声かけるか。)※緊張した様子で歩き出す
?「なんだ!かっこいい友達いるじゃん!」※振り返る
心音「ゆう兄!?」
まさかのゆう兄がニヤニヤしながら立っていた。