〇過去、帰り道、放課後、心音を意識する前
俺は、この見た目のせいで人間関係に苦労した。
彼女「ってことがあってね!面白いよね!」
朝比奈「そうだね。」
彼女「ねえ?私のこと好き?」
朝比奈「……うん。」
朝比奈(これ以上言えない。だって、この子と付き合ったのも告白されたからで、好きとか分からないし。)
そう。俺は恋が分からなかった。でもこの子と付き合ったら分かるかも。その連続だった。
彼女「……気づいてたよ。実は私のこと好きじゃないって。別れよ。」
朝比奈(またやった。でもどうしようもない。それなら……。)
俺は恋に諦めて気が付けば好きな子がいると嘘をついた。それに、大切な人を失うくらいなら恋愛はしたくない。
〇過去、学校
俺と小鳥遊さんの出会いはそんなに大したことなかった。第一印象は普通で同じクラスの人だったけど、他に関わる人が多くて、特に気になるポイントもなかった。そして二番目は、
心音「これ、落としたよ。」
※朝比奈が落としたペンを差し出す。真顔
朝比奈「あ、ありがとう。」
叫ぶわけでも、喜ぶわけでもなく、ただ一人の人として接してくれた。その時はそんな子もいるんだ。その程度でしか考えてなかった。
〇過去、学校、花壇
朝比奈(あ、今日は大丈夫かな。)※花壇の前を通りかかる
実は花壇が荒れたときに手入れしている。
朝比奈(これは正義感でもなく、ただやると、先生からの内点がよくなるから好きなふりをしている。)※通り過ぎようとしたとき
みーちゃん「いつ来てもここ綺麗だよね!誰か手入れしてるのかな?」
心音「うーんそうだね。」※心音は花に触れる
心音「あの、同学年の有名な。ほらなんて言ったけ?朝、」
みーちゃん「うん?朝比奈君のこと?」
心音「ああ、そう。その子がしてるみたいよ!」
みーちゃん「え!なんで分かったの?!エスパー?!」
心音「いや、大切にしたい気持ちが伝わって来たんだよ。」
その瞬間、静かだった心臓が急に騒ぎ始める。
朝比奈(は?何言ってんだ。大切になんて)
みーちゃん「へえー!あの朝比奈君が?」
心音「どんな子かは知らないけど、心が温かいね。花も喜んでる。」
朝比奈(心が温かいなんて言われたことない。昔は優しいねとかあったけど、人間関係に疲れてからは、そんなこと一度も。)
みーちゃん「さすが、心音ちゃん!心音ちゃんは花にも優しいんですね!」
心音「冗談はいいよ。いこ。」
二人は間に合わない!と去っていった。
朝比奈「心音。か。」
この時に改めて意識をした。
彼女はどんな子なのか。気が付けば常に目で追っていた。
最初は
クラスメイト「ねー!心音!聞いて!」※心音は背中に手を当てる
心音「何何?あ、高橋君に目をそらされたんでしょ?」
クラスメイト「そう!さすが心音!!なんでよ!私何かしたかな?」
心音「うーん、好きで目をあわせられないような感じだけど、何かした?」
クラスメイト「え!そうなの?確かにその前の日に好きな子聞かれて、『内緒』って答えたけど。」
心音「そのあなたの反応だと、好きってバレてるよ!」
クラスメイト「嘘!ありがとう!また相談するね。」
そんな感じにまるで心を読むぐらい分かっているところ。
朝比奈(もし本当に心が読めるなら汚い俺の本音がバレてしまう。)
次は
クラスメイト「ねえ、小鳥遊さん、また澪ちゃんの落し物見つけたって!」
クラスメイト「え、本当?私もこの間落し物拾って届けられたよ?名前も書いてないのに。」
クラスメイト「ありがたいけど、気味悪いよね。絶対小鳥遊さん盗んだって!」
そんな変な噂があること。確かに俺も落し物渡されたときは驚いた。でも渡されただけだし俺は有難かったけど。
他には笑顔がかわいいとか、いろいろあって気が付けば常に頭の片隅に小鳥遊さんがいた。
〇学校、裏道
放課後、職員室での用が終わって、ふと、花壇が気になり、寄ったのがよくなかった。
男子「おい!お前、朝比奈 透だな?」
振り返ると、ガタイのよさそうな男の子。確か、同級生。
朝比奈「何?」
男子「お前!洋子を奪っただろ!!
朝比奈(奪ってないし身に覚えもない。どうしたものか。)
男子「おい!なんとか言えよ!」
朝比奈「奪ってないし、そんな奴知らない。」
男子「お前!!」
仕方ない。少し我慢するか。大人しく受けようとすると、
心音「先生!こっちです!!喧嘩してまーす!!」
聞き覚えのある声が飛んでくる。
男子「やべ!とにかく観念しろよな!」
男子は去っていった。
心音「大丈夫ですか?」
ずっと聞きたかった言葉に胸が高鳴る。顔を上げると天使のように見える小鳥遊さんが立っていた。
朝比奈「ごめんね、こんな姿見せて。」
心音「いえ?」
朝比奈(俺のことを知らないのか、興味がないのか、特別な返事や態度はしない。)
朝比奈「君も嫌じゃないの?」
朝比奈(こんな姿を見せて。)
心音「私はすごいと思うわ。」
朝比奈「凄くなんかないよ。だって友達も失ってるしね。
って何言ってんだろう。」
朝比奈(この子の前では本音がこぼれる。普段なら言わないのに。)
心音「大丈夫よ。全てを愛してくれる子が現れるわ。もし現れなかったら、私が責任取るわ。」
朝比奈(心臓がうるさい。こんなにうるさいのはこの子と話してるから?これって、
一目惚れ?!)
心音「大丈夫?」
朝比奈「大丈夫、……。あ、なんでこんな場所にいるの?」
心音「ああ、これ、また落としたの?大切なものなら無くさないでね。」
朝比奈「ありがとう。」
心音「じゃ、またね!」
彼女は嵐のように去っていった。
朝比奈「小鳥遊 心音さん、か。」
頭を抱える。
朝比奈「これが、恋。か。」
好きになっちゃいました。小鳥遊さん。
俺は、この見た目のせいで人間関係に苦労した。
彼女「ってことがあってね!面白いよね!」
朝比奈「そうだね。」
彼女「ねえ?私のこと好き?」
朝比奈「……うん。」
朝比奈(これ以上言えない。だって、この子と付き合ったのも告白されたからで、好きとか分からないし。)
そう。俺は恋が分からなかった。でもこの子と付き合ったら分かるかも。その連続だった。
彼女「……気づいてたよ。実は私のこと好きじゃないって。別れよ。」
朝比奈(またやった。でもどうしようもない。それなら……。)
俺は恋に諦めて気が付けば好きな子がいると嘘をついた。それに、大切な人を失うくらいなら恋愛はしたくない。
〇過去、学校
俺と小鳥遊さんの出会いはそんなに大したことなかった。第一印象は普通で同じクラスの人だったけど、他に関わる人が多くて、特に気になるポイントもなかった。そして二番目は、
心音「これ、落としたよ。」
※朝比奈が落としたペンを差し出す。真顔
朝比奈「あ、ありがとう。」
叫ぶわけでも、喜ぶわけでもなく、ただ一人の人として接してくれた。その時はそんな子もいるんだ。その程度でしか考えてなかった。
〇過去、学校、花壇
朝比奈(あ、今日は大丈夫かな。)※花壇の前を通りかかる
実は花壇が荒れたときに手入れしている。
朝比奈(これは正義感でもなく、ただやると、先生からの内点がよくなるから好きなふりをしている。)※通り過ぎようとしたとき
みーちゃん「いつ来てもここ綺麗だよね!誰か手入れしてるのかな?」
心音「うーんそうだね。」※心音は花に触れる
心音「あの、同学年の有名な。ほらなんて言ったけ?朝、」
みーちゃん「うん?朝比奈君のこと?」
心音「ああ、そう。その子がしてるみたいよ!」
みーちゃん「え!なんで分かったの?!エスパー?!」
心音「いや、大切にしたい気持ちが伝わって来たんだよ。」
その瞬間、静かだった心臓が急に騒ぎ始める。
朝比奈(は?何言ってんだ。大切になんて)
みーちゃん「へえー!あの朝比奈君が?」
心音「どんな子かは知らないけど、心が温かいね。花も喜んでる。」
朝比奈(心が温かいなんて言われたことない。昔は優しいねとかあったけど、人間関係に疲れてからは、そんなこと一度も。)
みーちゃん「さすが、心音ちゃん!心音ちゃんは花にも優しいんですね!」
心音「冗談はいいよ。いこ。」
二人は間に合わない!と去っていった。
朝比奈「心音。か。」
この時に改めて意識をした。
彼女はどんな子なのか。気が付けば常に目で追っていた。
最初は
クラスメイト「ねー!心音!聞いて!」※心音は背中に手を当てる
心音「何何?あ、高橋君に目をそらされたんでしょ?」
クラスメイト「そう!さすが心音!!なんでよ!私何かしたかな?」
心音「うーん、好きで目をあわせられないような感じだけど、何かした?」
クラスメイト「え!そうなの?確かにその前の日に好きな子聞かれて、『内緒』って答えたけど。」
心音「そのあなたの反応だと、好きってバレてるよ!」
クラスメイト「嘘!ありがとう!また相談するね。」
そんな感じにまるで心を読むぐらい分かっているところ。
朝比奈(もし本当に心が読めるなら汚い俺の本音がバレてしまう。)
次は
クラスメイト「ねえ、小鳥遊さん、また澪ちゃんの落し物見つけたって!」
クラスメイト「え、本当?私もこの間落し物拾って届けられたよ?名前も書いてないのに。」
クラスメイト「ありがたいけど、気味悪いよね。絶対小鳥遊さん盗んだって!」
そんな変な噂があること。確かに俺も落し物渡されたときは驚いた。でも渡されただけだし俺は有難かったけど。
他には笑顔がかわいいとか、いろいろあって気が付けば常に頭の片隅に小鳥遊さんがいた。
〇学校、裏道
放課後、職員室での用が終わって、ふと、花壇が気になり、寄ったのがよくなかった。
男子「おい!お前、朝比奈 透だな?」
振り返ると、ガタイのよさそうな男の子。確か、同級生。
朝比奈「何?」
男子「お前!洋子を奪っただろ!!
朝比奈(奪ってないし身に覚えもない。どうしたものか。)
男子「おい!なんとか言えよ!」
朝比奈「奪ってないし、そんな奴知らない。」
男子「お前!!」
仕方ない。少し我慢するか。大人しく受けようとすると、
心音「先生!こっちです!!喧嘩してまーす!!」
聞き覚えのある声が飛んでくる。
男子「やべ!とにかく観念しろよな!」
男子は去っていった。
心音「大丈夫ですか?」
ずっと聞きたかった言葉に胸が高鳴る。顔を上げると天使のように見える小鳥遊さんが立っていた。
朝比奈「ごめんね、こんな姿見せて。」
心音「いえ?」
朝比奈(俺のことを知らないのか、興味がないのか、特別な返事や態度はしない。)
朝比奈「君も嫌じゃないの?」
朝比奈(こんな姿を見せて。)
心音「私はすごいと思うわ。」
朝比奈「凄くなんかないよ。だって友達も失ってるしね。
って何言ってんだろう。」
朝比奈(この子の前では本音がこぼれる。普段なら言わないのに。)
心音「大丈夫よ。全てを愛してくれる子が現れるわ。もし現れなかったら、私が責任取るわ。」
朝比奈(心臓がうるさい。こんなにうるさいのはこの子と話してるから?これって、
一目惚れ?!)
心音「大丈夫?」
朝比奈「大丈夫、……。あ、なんでこんな場所にいるの?」
心音「ああ、これ、また落としたの?大切なものなら無くさないでね。」
朝比奈「ありがとう。」
心音「じゃ、またね!」
彼女は嵐のように去っていった。
朝比奈「小鳥遊 心音さん、か。」
頭を抱える。
朝比奈「これが、恋。か。」
好きになっちゃいました。小鳥遊さん。

