〇前話と同じ
心臓が今度は嫌な音が鳴る。
心音(なんで忘れてたんだろう。付き合った後で、サイコメトリーです、なんて言ったら、困るか、怖がるか、怒るか。そのどれかかな?てか付き合う前に言っても絶対距離置かれたよね。
今まで和田先輩以外に言ったことないから、分からない。どういう反応をされるか。)

〇学校、教室、朝
みーちゃん「なんかさらに朝比奈君と距離近づいた?ってなんかさっきより落ちてるよね?どした?」
心配してくれるみーちゃんに甘えて背中を撫でてもらう。本当に落ち着くんだよね。
心音「まあ、いろいろとね。」
みーちゃん「また何かあったら相談待ってます!」

〇数日後、学校
心音(あれから朝比奈君とはあまり話せてない。理由は球技大会があって、朝比奈君も私も練習に忙しい。
私はバレーに。朝比奈君はバスケに出るみたい。家に帰ってから連絡もするけど、眠気や、勉強、球技大会のメンバーとの連絡でなかなか話せない。)
そして今日が球技大会一日目。二日間やっていて、一日目は予選。二日目は決勝という感じだ。特に朝比奈のグループは強くてみんな期待している。
心音(ちなみに私は昨日に応援メッセージも送った。(すごい喜んでくれた。))

〇学校、体育館、朝、一日目
みーちゃん「おはよう!いやー。やっと練習から解放される!」
みーちゃんも練習が大変だったようだ。※心音とグループが違うけどバレー。
心音「あはは、みーちゃんも相当頑張ったでしょ!」
みーちゃん「いや、競技の大変さより、心音と朝比奈君のイチャイチャを見れないのが苦痛でした!」
心音「なんだそれ!」
みーちゃん「早くラブラブしてよね!心も分かるんだから!」
その瞬間、固まる。体感五分くらい。※実際、数秒
心音(なんでみーちゃんが私がサイコメトリーだと知ってるの?)
そこで誤魔化せばよかったのに私は。
心音「なんでサイコメトリーなの知ってるの?」
みーちゃんはびっくりしてる。
みーちゃん「え、朝比奈君の気持ちも分かってるんでしょ?っていう意味だったんだけど、それって本当?」
心音(そっちか!やってしまった!)
目をぎゅっと瞑っていると、
みーちゃん「なーんだ!早くいってよね!私変なこと考えてなかった?!」
心音「……サイコメトリーって何?とか聞かないの……?」
嫌じゃないの?と疑問を持っていると、みーちゃんはフフフとお母さんのような安心感のある笑みを見せる。
みーちゃん「私も超能力持ち!」
予想外の返事に思考が止まる。
みーちゃん「ちなみに、癒し!触るだけで癒せるっていうサイコメトリーと比べたら弱いけどねー!」
心音(癒し?!だからあんなに落ち着くんだ。)※今までのことを思い出す
心音「全然すごいよ……!」
みーちゃん「本当?ありがとう。ってか、変なこと考えてたら言ってね?!」
心音「これからも友達でいてくれるの……?」
みーちゃん「?もちろん!」
みーちゃんは強く手を握ってきた。

〇サイコメトリー中
みーちゃんが今食べたいアイスクリームの映像が流れる。

〇現在に戻る
心音「もう、みーちゃんってば!」
感動のシーンのはずなのに相変わらずなみーちゃん。こんなところがかわいいけどね。
みーちゃん「ごめんごめん!てか、朝比奈君は心の内見えてたって知ったときどういう反応してたの?」
心音「まだ、……言ってない。」
みーちゃんは超能力をあけたときより信じられないという目で見てくる。
みーちゃん「何やってんの!早く言わなきゃ!」
心音「怖いの。……この関係が崩れるのが。」※みーちゃんは優しく背中をさする。
みーちゃん「大丈夫。朝比奈君なら受け止めてくれる!その信頼もないの?」※心音はウっと詰まる。
みーちゃん「それに、このまま付き合い続けるのも辛いでしょ?」
心音「そうだね。……話すね。」
暗い気持ちのまま開会式が始まった。

〇バレー中、体育館
私は敵なのに応援してくれるみーちゃんの声を主に頼りにして点を入れる。※アタッカー
みーちゃん「心音ファイト!!」
『ピピー!』
「赤チームの勝ちです!」
チームメイト「心音!!ナイス!!」
一回戦目は勝った。でもそのあとはぼろ負けで私たちの競技は終わった。

〇バレー終了後、体育館
みーちゃん「二人ともダメだったね!」
心音「まああの二チーム強かったしどっちかが一位になるでしょ。」
みーちゃん「心音もかっこよかったよ!」
心音「みーちゃんもね!応援もありがとう!」
みーちゃん「あ、そろそろ朝比奈君の試合始まるんじゃない?!いこ!」
私も応援したいから一緒に向かうことにした。

〇朝比奈バスケ中、体育館
チームメイト「透!右!」
女子「きゃー!!朝比奈君!!」
向かうと相変わらずすごい人気だ。
心音(でも、あれ?)
練習の時はもっと調子よかったのになんだか調子悪そうな朝比奈君。
心音「朝比奈君!!ファイト!!」
他の女子たちに紛れて言うつもりが思ったより声がでかくて目立ってしまって周りの女子たちが見てくる。視線が痛いよ。
朝比奈「ありがとう!小鳥遊さん!」
その声はやはり朝比奈君に届き休憩中の彼は手を振っていつも私に見せる満面の笑みで返してきた。
女子「え、あんな顔見たことない!」
女子「ね!超甘い!」
女子「小鳥遊さんとどういう関係なんだろう。」

〇バスケ試合終了後、体育館
みーちゃん「いやーよかったね!朝比奈君もやる気出て急に強くなったし!これって愛の効果?!」
朝比奈君は無事に勝ち、明日の試合にも出れるみたい。おめでたいな!
クラスメイト「ねえ、小鳥遊さん、朝比奈君のことでちょっといい?」
目立つということはこういうことでして、今まで嫌がっていた展開が待っていた。