「ごめん。昨日はつい、イライラしちゃって・・・」




 「う、うん・・・・・・」




 「まだ、怒ってる?」




 「・・・・・・」




 「そっか・・・・・・・」














 「ごめんね。俺が、悪かった」




 「・・・・・・・」




 「本当に、すまなかった。俺が悪かった」




俺は、何度も謝った。








すると、彼女はくすくすと笑い始めた。





「良かった。許してくれるの?」





「許すも何もないわ。別の事を考えてただけよ。ねぇ、見て。たこ焼き屋よ」




「あ、本当だ。食べようか?」





「それもいいわね」

















 「熱くて美味しいね」




 「そうだね」





 「俺のたこ焼きも二個上げるよ」





 「いいの?」





 「いいよ」














 「ごめんね」






 「もういいわよ。何度も謝らなくても。あっ、あそこにお花が咲いてるわ」






 「君はお花好きなもんだから、お花を見る時の笑顔が、一番、ステキだよ」






 「そんなこと言われると、なんだか照れるわ」





 「あのお花の写真でも撮ろうか?」




 「いや・・・まだ・・・たこ焼き残ってるから・・・」




 「あ、そうだね。このたこ焼き、美味しいもんね。じゃぁ、俺が
  写真を撮って来てあげるよ」





 「いいの?」




 「君はゆっくり食べといてね」




 「わかった」



 
 「じゃぁ、行ってくる」





 「ハーイ」







 彼女は、笑顔で、そう言った。






辺りは、たこ焼きの甘い香りが広がっていた。