君の雪は解けない

先のことを思えば思うほど、憂鬱だ。

あまりの億劫さに柄にもなくため息が多発するほど。


「⋯まあ、もう少し調べてみるけれど。あまり期待はしないでね」

「分かった。何か対策を考えねばな⋯⋯」


そうは言っても、相手は極道。

たかが暴走族ごときが何か対抗策を考えたところで太刀打ちできる相手ではないのは、百も承知だった。

(それに、軌然会は姑息な手段も厭わない組織)
いつ眞雪を殺害しようと踏み切っても、おかしいことなど全くない。

彼は一層気を引き締めなければならなかった。

(⋯⋯あとは)

こういう状況になった以上、組織に報告せねばならない。
軌然が黎月の者に手を出すとなれば、全面戦争にもなりかねないためだ。