君の雪は解けない






「犯人。分かったよ」


眞雪がにっこりと微笑んだのは、それから一週間のことだった。

彼は先日言った通り、
きっちりと犯人を調べてきたらしい。

にっこりと笑って、その言葉に身を乗り出す白蓮を諫めた。

手持ちの資料を見ながら淡々と告げる様は、少々恐ろしくも感じる。


「下っ端を襲っていたのは、軌然(きぜん)会。言うなればヤクザだね」

「ヤク⋯⋯っ!?」


伊吹たちは、予想外の言葉に息を呑む。

無理もない。

暴走族は、所詮悪面した一般人であり、
ヤクザ⋯⋯極道とは住む世界が違うのだから。

その気になれば刃物や銃を手に取り、人も簡単に殺せてしまう。

そんな輩が何故か、自分たちを狙っているとなれば、恐ろしいでは済まないだろう。