君の雪は解けない

「でも、そのミフユは死んだんでしょ?なら気にしなくていいんじゃない」

「⋯⋯そう、だね」


既にけろっと澄まし顔の幹部たちとは対照的に、萌依の表情はどこか暗い。

その様子に、眞雪の頭にはある仮説が浮かんだ。


「⋯もしかして、ミフユのことが好きだった?」

「⋯⋯⋯黙れ」


我ながら無神経だったとは言え、眞雪が聞いたのは萌葉自身にだ。
伊吹に答えろと言ったわけではない。

(当たり、かな)

伊吹の機嫌が悪くなるのは、萌依絡みだ。

どうやら本当に萌依はミフユに懸想していたらしい、と二人を交互に見つめる。

⋯⋯でも。
眞雪は疑問を言葉で紡いだ。


「でも、ミフユは女の子でしょ?」