君の雪は解けない

「過去⋯だろうか、何かあるとするならば」


中学校のときに荒れていた、という言葉を思い出す。

あのときに何かあったのかもしれない。


「眞雪くん、人苦手そうだったよね。それも同じ原因、かな⋯?」


首を傾げた萌依だったが、
眞雪をよく見ていることに少しの驚きと嫉妬が入り混じる。

そんな伊吹の感情などつゆしらず、彼らは同意だと言うように深く頷いた。


「とにかく、無理やり聞き出すことはするな。自分から話してくれるのを待とう」


最後は、やはり総長。

伊吹が話をまとめ、幹部たちが頷くという構図だった。


(⋯⋯眞雪)

仮という形であっても、仲間なのは変わらない。

自分たちは、根気強く待とう。


彼が、自ら過去を話してくれるのを。

彼と、真に仲間となれることを————