切り替えたようにぱっと顔を上げた伊吹は眞雪の目をまっすぐに見つめる。
対する眞雪は、今度は何事かと彼と視線を合わせる。
「そろそろ、名前で呼んでくれないか?」
「僕も!まゆくんに名前で呼ばれたーい!」
どこから割り込んできたのやら、
下からずいっと顔を近づける花名森は相変わらず女子の様な綺麗な顔。
騒ぎ方も、女子様様。
「⋯⋯えー」
正直に言おう。
眞雪は本当に親しい人間以外はあまり名前で呼ばない傾向にある。
唯一有瀬と主人の男だけは例外だが、もちろん白蓮はその例外に含まれない。
流石に、と頭を悩ませていると、更に横から八百坂が首を突っ込んできて「俺も呼んでほしいですね」だとか下から覗き込んでくるような体制の天堂が「眞雪の呼ぶ明日真⋯なんて良い響き!」だとか、終いには桃野ですら「わ、私も⋯」とその手を上げる。
(⋯受け入れざるを、得ないか?)
眞雪は多方面から名前で呼ぶことを迫られた。
それも、全員が当たり前に名前で呼んでもらえるものと思っており、その表情は朗らかだ。
対する眞雪は、今度は何事かと彼と視線を合わせる。
「そろそろ、名前で呼んでくれないか?」
「僕も!まゆくんに名前で呼ばれたーい!」
どこから割り込んできたのやら、
下からずいっと顔を近づける花名森は相変わらず女子の様な綺麗な顔。
騒ぎ方も、女子様様。
「⋯⋯えー」
正直に言おう。
眞雪は本当に親しい人間以外はあまり名前で呼ばない傾向にある。
唯一有瀬と主人の男だけは例外だが、もちろん白蓮はその例外に含まれない。
流石に、と頭を悩ませていると、更に横から八百坂が首を突っ込んできて「俺も呼んでほしいですね」だとか下から覗き込んでくるような体制の天堂が「眞雪の呼ぶ明日真⋯なんて良い響き!」だとか、終いには桃野ですら「わ、私も⋯」とその手を上げる。
(⋯受け入れざるを、得ないか?)
眞雪は多方面から名前で呼ぶことを迫られた。
それも、全員が当たり前に名前で呼んでもらえるものと思っており、その表情は朗らかだ。

