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「よろしく、お願いします」
人が良さそうに見えるよう軽く口角をあげながら、眞雪は辺りを見回した。
転校生に沸き立つ空気。
見慣れない深緑の黒板と、その傍らの白いチョーク。
同学年の人間が一斉に集まっている状況。
これまでの日常とは全くと言っていいほどかけ離れた世界に、思わずため息を吐いてしまう。
ここは、学校だ。
今まであまり行ってこなかった眞雪からするととても眩しい世界に思える場所。
クラスメイトの顔は常に明るく華やいでおり、別世界にいるようだ。
やっぱり来たらいけなかったな、と眞雪は独りごちた。

