君の雪は解けない


だってぇ、とソファーに座り机にうつ伏せになる花名森。


「まゆくん、なんかオーラがあるんだもん⋯⋯!」


(⋯⋯ん?)

多分、この場の全員が思ったであろう。


「⋯花名森。‟まゆくん”とはなに?」

「そうだぜ、お前3秒前まで‟眞雪くん”呼びだったじゃねぇか!」


えーかわいいじゃん、と頬を膨らませ抗議する花名森を全員が白けた目で見る。


そんな中、伊吹だけは楽しそうに、


「いいじゃねぇか。俺も呼んでやろうか?まゆくん」

「う⋯わ、しんどい」

「なんでだよ」


伊吹と軽口を叩き合ってから、ふと白蓮の‟姫”の方を見る。