君の雪は解けない


約400名は伊達じゃないな、と眞雪はため息を吐きそうになる。

——が、ここでそんなことをすれば敵視の元になりかねない。
(それは、面倒臭いな)

なにも状況が分からないが、とりあえず眞雪は愛想良くすることにした。


「鳳 眞雪です。今のところ正式な加入ではなく、仮という形になってるけれど⋯⋯歓迎してくれたら嬉しいな」


我ながら、無難すぎるコメントだ。

だが下っ端たちは特にブーイングを起こすこともなく、丁寧に拍手を送ってくれた。


と、その内の一人が急に声を張り上げる。


「鳳さんって、おいくつなんですかー!?」


⋯⋯そんな質問をされるなんて。