君の雪は解けない


有瀬の悪びれない口調に思わずため息が出る。

(一時だとしても、表の世界にいる人間に言うことじゃない)

だけど、そうは思っても仕事は仕事なのだから、眞雪だって簡単に断れるものでもない。


「はいはい、了解。今からでいい?」

『早い方がいい。人数はそれなりにいるから、気をつけて』


恐らく20人ほどだろうか。

なぜ自分の学校付近に居るのかは分からないが、
(若に手を出すということは、それなりの覚悟が必要だからね)

それこそ、焼いたり煮たりされても文句は言えない程の。


「回収はいつも通り、よろしくね。僕の心配は不要だよ」

『はは、そうだね。じゃあ』