君の雪は解けない


そのとき、丁度、と言っていいのか、舌で転がし続けていた飴が無くなる。


「まあ、仲良くやりなね。じゃあ」

「あ、ちょ⋯⋯まっ」


制止する声をものともせず、ひらひらと手を振った。


(やっぱり、明るい場所は苦手だ)

みんな楽しそうで、自分だけが裏に薄暗いものを抱えているような。

大きな(ごう)を背負っている自覚はある。
許されることでは、ないかもしれない。


(⋯⋯けれど)

黎月会(れいげつかい)の、未来のために。


止まることは、許されない。



(白蓮、には悪いけれど)


この勝負は、必ず此方が勝つことになる。