君の雪は解けない

——というのが、ざっくりだけれど、僕の過去ね。

ここからは、軌然会の話に入るわけだけど⋯⋯
⋯⋯なんでって?まあ僕の話を聞いて。

表には出てないけれど、軌然会は、黎月会と対立関係にあるんだ。
力差は五分五分⋯いや、人数で言えば、軌然の方が多いかな。

それで、さっき若那が言ってくれた『護衛が居る限り、若頭は殺せないらしい』という言葉。

あれは大正解。
若だけでも十分強いのだけれど、なぜかそう噂されているのだよね。

だから、若を殺して黎月会の力を弱めたい他の組織——この場合は、軌然会だね。

彼らの思考は『護衛が邪魔で殺せないなら、護衛を殺せばいい』というものに変化していく。

つまり、今回の件は僕を狙った案件ということ。
なぜか居場所が漏れていてね、巻き込むことになってごめんね。

でも、僕と有瀬でちゃんと潰すから、そこは安心してほしいかな。